【シンギュラリティ(技術的特異点)】人工知能は人類の後継者として新人類となれるのか
シンギュラリティ(技術的特異点)とは、
人間が人間以上の知能を持つ機械を作れた時、
- 人間は自分以上の知能を持つ機会を作れる。
- 作られた機械は人間ので出来ることは(人間以上の知能を有するため)出来る。
- 1,2より機械は自分の知能以上の機会を作ることができる。
これを繰り返すことで爆発的指数関数的な機械の知能高騰が起こる。
人間の知能では例えば(人間よりも知能が低い)イルカが数年後にどれだけ知能が進化するかは予測できるが、人間以上の知能を有する機械の知能上昇は予測することすらできない。
これが爆発的な知能上昇と抽象的に言われる所以である。
凡俗はこれくらいの理解があれば上出来である。
しかし私たちプログラマはもっと詳しく理解している必要がある。
知能とは何なのか?人間をすべてに上回る知能ってどう判別するの?そういった疑問に答えられないようでは、世の中の記事に乗せられただけの凡俗と変わりないのである。
現在の人工知能を説明するには人間の思考回路を理解する必要がある。
それは自分が物事を考えるときにどういった理論の積み重ねで結論を導き出すかのフローを明確にすることでは"ない"。「無矛盾な公理的集合論は自己の無矛盾性を証明できない(※1)」のと同様に「己の思考の中で己の思考回路は理解できない」。思考回路を理解するためには思考回路を物理的に三者視点で見る必要がある。
つまり生物学での人間の脳を理解しなくてはならない。人間の脳はシナプス同士の電気的つながりなのである。それは機械における集積回路のようなもので、シナプスの挙動は一定以上のシナプスからの電気信号が流れた時にシナプスは他のつながったシナプスに電気信号を流すといった単純な挙動の集まりなのである。
それをプログラムで実装したのがニュートラルネットワークであり、人間の脳を模倣したものであるから知能を比較することもまた(他に比べて)容易なのである。
(ニュートラルネットワークの説明とアルゴリズムの話は(長くなると思うので)ここでは割愛して次の機会に解説します。)
シンギュラリティを迎えるにあたってほとんどの人間は不要になる。労働力が過剰になり、人間個人の労働力は無価値に収束していくのである。もちろん無価値な人間は淘汰されることは当たり前で、それが人類の進化である。
その生み出された機械が人間とは違う種属(最高知的生命体)として地球を牛耳るのか、人類が生み出した正当な後継者として新人類として元人間と置き換わる子孫となりえるのか。人類が人工知能の進化を手放すのか。
ともあれシンギュラリティ前後の時世で弱者とならないためには、労働力を使う強者として生きるため、ニュートラルネットワークに精通することがプログラマの急務であると私は考える。
※1.詳しく知りたい人はラッセルのパラドックスを調べてください。